火花とスクラップ・アンド・ビルド
芥川賞を受賞した2作を読みました。本の紹介は得意ではありませんが、書いてみます。
一言で言ってしまえば、 お笑い芸人の僕と、師匠の神谷さんの「笑いを追求する生き方を描いた」小説。厳しい現実に向き合う主人公と、最後まで笑いを追求し空回りし続ける神谷さんの対比が切ないです。読み終えた後しんみりしてしまいました。
こちらは介護の話。胸に突き刺さるフレーズがたくさんあって、マーカーを引いて読みました。その中の一つを紹介。
柔らかくて甘いおやつという目先の欲望に執着する人だからこそ、目先の苦痛から逃れるため死にたいと願うのだ
介護されることが苦痛で「死にたい」と口癖のように言う祖父が、「おやつはどこにあるかと」孫の健斗に尋ねるシーン。孫の健斗が介護をしながらも、冷静に祖父の事をこう分析して見せるのがちょっと怖かったです。
どちらの方が面白いかと聞かれると困ってしまいますが、スクラップ・アンド・ビルドのほうが読みやすく、大衆向けだと感じました。
ではまた。